旧四賀村一周境界線ハイキング・バリエーションルート調査山行
~里山道を歩く・・・四賀村五輪平から明科町大足へ~
2009年10月22日(木) 長野県松本市・安曇野市境界山域(無名)
記録者 山のあしおと小学校 木偶野呂馬
2年前の11月18日に歩いた旧四賀村境界線ハイキング第9行程のバリエーションルートを開拓すべく、旧明科街潮の天田地区から境界線を目指して歩く。
林道天田線の終点から境界線までを踏査して境界線沿いに南下し、県道に出る道を見届けて車に戻るつもりが下山道を間違えて生竜と言う地区の林道に出た。
日没寸前のギリギリ時刻に林道に到達して事なきを得たが、車を置いた位置からはとんでもない方向に下りてしまった。
林道天田船の終点の廃屋近く(標高780m)に車を置き15:40出発。廃屋の庭を抜けてかすかな踏み跡を辿るとすぐに別の林道に行き当たる。この道は県道四賀線沿いの大足と言う地区につながる道で、潮地区とはひと山隔てていて天田線とはつながっていない。両者の距離はわずか3~400mほどだが、共に県道からの標高差が230mもある急傾斜地のこの地区には、それぞれに数戸の人家があるだけなので両地区を結ぶ道路が敷設されなかったのだ。その数戸の人家も今は廃屋となって朽ち果てるのを待っていると言う状況ですでにして集落でさえない。
四賀・明科の境界線沿いにはこのような廃屋が無数にあり、境界線を歩く山行はこのような荒れ果てた廃家・廃屋や山深い1軒屋に独居するお年寄りの姿をつぶさに見て歩く山歩きでもあるのだ。
林道を上に向かって歩き始めた時に、右手の廃屋から1台の車が出てきたので戻って乗っていた中年の男性に周辺事情を聞く。今は廃屋のその家から子どもの頃は学校に通ったと言うその男性は、1日おきに畑の管理に来ていると言った。
200mほど歩いて最後の廃屋の前を通り、薮に覆われた踏み跡を辿って尾根に攀じ登る。左折して遮二無二登ること5分で『標柱4号』と言う標識を見る(15:55)。『地すべり防止』の対策を表わすこの手の標識はよく見かけるが、何号かまでは覚えていない。そのまま直進すると6分後に『3号』標識にぶつかる。その先から道が右手の尾根を避けて左寄り進み、16:11 に『掘平』と言う墓地のある三叉路に出る。
左の道は下って行く感じだったので右折して小高い場所を目指し、鹿道を辿って見通しの効く場所に出てみたが期待はずれだったので引き返したものの、その戻り道がわからなくなって探し回るうちに2年前に歩いた境界線ルートの『標識2号』と小さな祠のあるピーク(890m)に出た(16:17)。
境界線上にいることがわかったのでこれを下れば県道に出られるのだが、この日の目的は境界線と林道天田線をつなぐルートの踏査なので、車のある位置へのルートを確定しなければならない。
車があるのは境界線より西寄りであるから2号標識から西に派生する尾根を下らなくてはならないと判断して下り始めたが、途中でつけた目印はおろか掘平の墓地もが見つからない。がしかし自分の頭の中では西~北西寄りに下っている筈だからと踏み跡を辿ってひたすら下る。
ランプを持って来なかったので16:30を過ぎるとちょっと心配になってきた。日没まで1時間弱,明るいうちに人家のある付近まで下らなければと少々焦る。
16:48,やっと廃屋を見つける。家の前を通過して小さな谷にかかる木の橋を渡った少し先に栗林があった。その感じが以前間違えて彷徨った場所に似ている気がした。その場所であれば果樹園を登りきったところに広い道があって、それを下れば左下の林道があるはずだった。左手にもう1つ廃屋が見えていたので、そちらを選ぶ選択肢もあったが、過去の記憶に引きずられ果樹園の急斜面を登りきって出た道は以前のそれとは違う気がした。
道があるにはあったがいくら下っても林道が見えない。だが下るしかない。そのうち道がなくなって沢に下りてしまった。知らぬ沢は地獄・・,ヤバイなと思う反面、滝があるような大きな沢ではないはずなので沢にいる方が確実に里に出られると考えてそのまま下るうちに砂防堰堤にぶつかる。
天田地区に砂防のあるような沢があっただろうか?,あったとしても5つも6つもあるはずはないから里は近い・・,等と考えながら下るうちに第2,第3の堰堤からさらに第4,第5と堰堤が続き、7つ目の堰堤を越えた所でようやく大きな重機のある工事現場に出る。時刻17:18。まだ見える時刻ではあるが10分後にはとっぷりと日が暮れた。
林道を下ると行く手上空に高速道路の巨大な橋が見えて来た。さらに境界線の東にあるはずの送電線鉄塔を西側に見るに至って、自分が境界線の東側に下りた来たことを知り仰天した。天田地区のどこかの沢沿いに下ったと思っていたものがまったく方向違いの旧四賀村に降りていたのだ。どう間違えばこちら側に降りられるのかまったく解らず、キツネにでも化かされた感じだ。そういえば途中でムジナを見たっけ・・。
そんなこんなで2年前に一緒に歩いた小月さんに電話して拾いに来てもらい、天田まで車を回収に行ったと言う次第。
どこでどう間違えたのか、これから再検証に行く。