男体山登拝祭 2010.7/31~8/1

okirakutozan

2010年08月07日 11:47

男体山登拝祭                                                                                          
2010年7月31日~8月1日 栃木県 日光男体山 記録者 やませみ                                                                   

登拝祭は、1200年の以上の歴史をもつ、奥日光の霊場と言われる二荒山神社中宮祠の最大の祭りで、男体山の神様を称えまつり諸願成就を祈願する祭典です。                         毎年8月1日の午前0時に同神社の登拝門が開けられ7日までの期間中は夜間の男体山登山が解禁となり、山頂で御来光を仰ぐことができます。 

今回は、「な~んちゃって登山」の メンバー6人でチャレンジしてきました。          
7月31日(土) 二荒山神社中宮祠に11時20分に到着。                        いつもは社務所で受付けを済ませるのだが、今日はお祭りどうやら勝手が違うみたいだ、入口近くに特設のテントが、ここで登拝料1000円(えっ、通常は500円なのに・・・)を奉納、「御守り」と「登拝之証」をいただき境内へ。溢れんばかりの人混み。初めての夜間登山に一同、自然とテンションが上がる。       

8月1日午前0時。ホラ貝の音色が響きわたり、登拝門が開く。
登拝者は50~60人ほどの集団に分けられ神主さんの御祓いを受け順次、標高2486mの山頂奥に宮を目指す。しばらくして我々の順番、漆黒の山道へと歩き出す。 
山道にはもちろん外灯などなく、真っ暗な道をヘッドランプの明かりを頼りに進む。
だが、しばらく山道を進むとそこは大渋滞。普段なら数分で歩ける道も、人また人で進みようがない。
日頃の運動不足がたたっているのか、息も絶え絶えの登拝者がちらほら。
先ほどまでの厳粛なムードも一掃。山中は一年に一度のお祭りに賑わいを見せ始める。          
しばらくして人の波も動き始め、ようやく3合目に時計は既に1時25分をまわっていた。ここからアスファルトの林道を歩くことに。道幅が広がったためか先程までの渋滞に痺れをきらした登拝者が一揆に抜き去って行く。4合目に着く。そこにはいくつもの売店があり飲み物や豚汁を買い求める人たちで賑わっていた。美味しそうな食べ物の香りに誘われついつい覗いてしまう。が、見るだけで何も買わない。
この場所には自衛隊の救護班の方々が待機していた。臨時の仮設トイレも設置してあり女性陣は大助かりである。

一息いれて、石造の鳥居をくぐる。ここから道は少しずつ険しさを増してくる。
がしかし、ここも人・人・人で大渋滞。 暗闇の山道にヘッドランプの明かりが延々と何処までも続いているのが見える。ふと空を見上げれば満天の星空。「こんな綺麗な星をみるの久しぶりだなぁ~」と思いながら滑りやすい山道を慎重に登る。いや、立ち止まっている。
7合目を過ぎ、徐々に気温が下がってくるのが分かる。夜明けが近いのか空が少しずつ白み始めてきた。

「ご来光に間に合わないか・・・?」 もう、この時点で山頂でのご来光は時間的に無理であった。
ほどなくして夜明けを迎える。なんとまだ7.5合目にいる。なんてことだ・・・ 
ようやく8合目。前を見ると先を行く3人組が視界から消える。ずいぶんと離されてしまった様だ。東の空をよくみると霧に霞む岩陰にぼんやりとした太陽がすでに昇っていた。

この辺りから女性陣2名のペースが極端に遅くなる。きけば久々の山歩きらしく足が思うように上がらないみたいだ。ひとりの女性がよほど辛かったのか、
「私、ここで待ってる・・・」と言い出す始末。
おいおい、「あとすこしだから頑張ろうよ・・・」
「せっかくここまで登ったんだから・・・」
「山頂まで行こうよ・・・」と宥める私。

その後9合目を過ぎて傾斜は緩やかに、岩場から徐々に崩れやすい砂地状の道に変わってくる。
バテバテ気味の彼女。しばらくの間ペースを合わせ一緒に歩いていたが、気を使わせてしまったのかどうかは解からないが「先に行って・・・」の一言が。(もしかして、もう限界か・・・?)
そこから私は滑りやすい斜面を最後の力を振り絞り、よろけながらも山頂に。
先頭の3人が鳥居の横で私らが登ってくるのを待っていてくれた。先に5人で奥の宮に参拝を済ませ彼女が来るのを待つ。遅れること10分全員が揃い5時40分頂上にようやく辿り着く。「あぁ、疲れた~・・・」

残念なことに、この日の山頂は濃い霧に覆われ360度の大パノラマはお預けに。混雑も思ってよりしていない感じだ。「いったい、あの山道での大渋滞は何だったのだろうか・・・?」
大剣でそれぞれに記念撮影を済ませ、空いてる場所に100均で買ったシートを広げ遅い?朝食にする。
くる途中バナナしか口にしていなかったのでお腹ぺこぺこであった。
おにぎり2個とカップラーメンをぺろりと平らげ残っていたバナナをまた頬張る。冷えた体が徐々に温まりだすのが良くわかる。お腹も満たされじっとして居ると猛烈な睡魔が襲ってくる。

登った山は下りなければならない。当たり前のことだが、意外と忘れなれがちなのが登山は下りの方がきついと言うことだ。先程登った道を下りることにする。
途中、あの有名な1000回おじさんこと、「田名網忠吉」さんとお会いできメンバー全員が快く握手をしていただく。とても85歳とは思えない握力の強さに一同、驚きであった。
たしかこの日が1175回?目の登頂だったと思う・・・

強烈な下り坂は徐々に我々の足、膝を壊し始める。先を行く彼女が「膝がいた~い!」と言う。
歩くたびにどんどん痛くなってくる。それでも下らなければ帰れない。それが登山なのだ。

「あとどくらいですか・・・?」
 
ん~「あとすこしかなぁ・・・」

「あとすこしって・・・?」
 
「だからあともうすこし・・・」

「いま何合目あたりですか・・・?」

「3合目あたりかなぁ・・・」 

「ほんとは何合目なの・・・?」

「だから、3合目・・・」 (ほんとうは、まだ6合目あたりであった。(笑))

そんな会話をし、互いを励まし合いながらやっとの想いで登拝門をくぐり抜け、無事下山となった。
時計はあと数分で11時ちょうどになろうとしていた。
帰路、疲れた体を「奥日光湯本温泉」の源泉にゆっくりと浸かり前日来の汗と汚れを洗い流し今回の夜通し2日間に及ぶ山遊びも終わりとなった。「ああ~。ほんまにづがれだ~!」 

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